ラッキーナンバー

複雑な恋心

 


暗い教室

ダンボールや暗幕で作られたお化け屋敷



「うぉーっ!!!」

「…………うるせぇ」

「あ、すみません…」



ちょくちょく脅かそうとしてくる奴を睨みつけると、そいつは一言俺に謝ってまた元の定位置に戻って行った。



「はは、強いんだねこういうの」



隣で無駄に爽やかに笑う男は確か、あいつの惚れてる男



「別に」



つーかなにが楽しくて男とお化け屋敷なんか入んなきゃなんねーんだよ

だいたい元はといえば



『俺男と組むのとかマジ無理
だから和音ちゃん、グーだしてね!』

『え?あっ、うんわかった』



アキがあんなこと言うから、グーを出した俺らがペアになっちまったわけで…

つーか、なんであいつグー出さねーんだよ

そしてなんで俺も出してんだよ


握った自分の拳を見る

俺は…誰と組みたかったんだ?



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