ラッキーナンバー
「そっ、そういうくるめくんはいるの?…好きな人」
ドキドキと心臓がうるさく鳴る。
くるめくんは一度足を止めて私の目を見ると、笑顔で言った。
「いるよ」
キュンッという音が胸に響いた。
やばい…
もしかしてもう両思い!?
いや、でももしその好きな人っていうのが私じゃなかったら…
でもあの笑顔だよ!?
ちょっとは期待してもいいよね!?
「あ、そうだ坂下さん」
「えっ、あっ、ハイ!!!」
自分に都合のいい妄想をしてた私は、くるめくんの呼びかけに一気に現実に戻った。
「今度の土曜日って、空いてる?」
「え…土曜日?」
今週の土曜日って…確か…
「一緒に、お祭りでも行かないかなぁ…って」
頭の後ろをかきながら、くるめくんが言った。