俺の彼女が一番可愛い！

＊　＊　＊　＊　＊

「え、じゃあ一緒に行こうよ。」
「え？」

　今日あった話を綾乃にしたところ、そんな提案が返ってきた。

「綾乃ちゃんはいいの？」
「え？何が？」
「だって、岡田さんはまだしも彼女さんとは会ったこともないし…。」
「そうだけど。でもちょっと会ってみたい気もするし。あ、もちろん岡田くんとその彼女さんが嫌じゃなかったらだけど。あと健人も。」
「俺は全然嫌とかじゃないけど。じゃあ聞いてみる。」
「うん。」

　早速ラインで連絡を入れる。すると丁度彼女と一緒にいたらしい凛玖からすぐに返事が来た。

「なんだってー？」
「行きたいだってさ。」
「ダブルデートってやつだね！生まれて初めて！」
「俺もだよ。」
「日程はどうしようか。彼女さん、先生なんだよね？そんな簡単に休めないでしょ？」
「多分。その辺も聞いてみる。」
「お願いします！」

　理真の小学校では4月に土曜参観を行うようで、その代休として月曜日が空くとのことだった。月曜は健人も凛玖も講義を入れていない。

「じゃあ月曜有給取るよ。」
「お仕事的に大丈夫？」
「それは全然。4月が特別忙しいってわけじゃないし。あとはレンタカーとお弁当だね。」
「お弁当は俺たちやるよ。それにレンタカーの手配もやれるし。綾乃ちゃんたちは目の前のお仕事倒すことだけに集中してね。」
「倒すって。でもありがと。頑張るわ。お弁当、楽しみにしてるね。」
「うん！」

　綾乃にとっても健人にとっても初めてのダブルデート。全く緊張しないというわけではないが、今は緊張よりも少しだけワクワクが勝る。

『お弁当、俺たちでやるって言っちゃったけど、岡田さんもやる？』
『当たり前。日曜行くわ。』
『わかった。お願いします。』