雨の後は、きっと虹がかかる


「そうなんだよー、だから短大でもいいから行かないと。」


「ね!陽は何になりたいの?」


聞かれる度に答えが見えなくなっていく。


ずっと考え続けて、それでも答えの出ることのなかった問い。


小さい時は何にでもなれると思っていたけれど、現実をどんどん知っていって身動きがとれなくなっていく。


「……私は、とりあえず大学に行くことかな。」


勉強を頑張って自分の中でいちばんレベルの高い所に行きたい。


「おおー堅実路線行くね!」


「何をやりたいか見えない、から。」


「ふうん、陽なら出来そうなこと、たくさんありそうだけど意外。」


ポテトをつまみながら栞がつぶやく。


「愛華と栞の方が凄いよ。

やりたいこと、もう決まっているじゃん。」


< 169 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop