雨の後は、きっと虹がかかる


名簿を確認したから、教室に向かう。


去年も同じクラスだった人も何人かいるから、話す相手くらいはいそうだ。


ドアを開けると、もう半分くらいの人が来ていた。


「おはよ、陽!」


「おはよ、夏希。」


去年、私が一番仲良くしていた夏希が同じクラスなのは、かなり安心した。


「今年も同じクラスだね!」


「ね、よかったよー。」


ひとしきり話して笑ったあと、席を確認すると窓に近かった。


……空が近い。


席に座っていると、始業式の始まるチャイムがなった。


またあの蒸し暑そうな体育館に行かなくてはいけないのかと思って少し憂鬱になる。


新学期特有の、浮ついた空気の間をぬって体育館に向かう。


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