イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で


「暁の誕生日までに仲直りできたらいいね!」


葵ちゃんはなにがあったのかは追及することなく、ニコッと笑ってそう言った。


「...」


その言葉に一瞬固まるわたし。


「...彩ちゃん?」


「た...誕生日!!」


そうだ!!


忘れてた!!


明後日5月28日、日曜日は暁の誕生日だった!!


ずっと覚えていたのに、今回の一件で、すっかり頭から消えてしまっていたんだ。


葵ちゃんが言ってくれてよかった!!


「誕生日までに仲直り...そうだよね、うん、そうする!!」


4月に、わたしの誕生日を祝ってくれた暁に、お返ししたい。


お返しと言わずとも、素直にお祝いしてあげたい。


「うんうん!がんばってね!!」


葵ちゃんには常に感謝しかないよ。


誕生日までにというか、誕生日をお祝いして、そっから普段通り話せるようになるっていう流れでいこう!!


それが一番すごく自然だ!!


うなずきながらそう考えた。


ちなみに、葵ちゃんの誕生日は秋だ。


まだ先だからなにも考えてないけど、とびきり楽しい日にしてあげたいな。


残り少ないオレンジシューズをちゅーっと吸う葵ちゃんを見て、そう思い自然と頬が緩んだ。

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