イケメン悪魔とツンデレ美女、ひとつ屋根の下で
「...乾かして」
「...!?」
甘えたような口調に、わたしは自分の耳を疑う。
どうやら暁は当たり前だけどそうとう疲れているようだ。
“乾かせ”じゃなくて“乾かして”って......ただ語尾が違うだけなのに、わたしはもうお願いを聞いてあげるしかできなくなった。
わたしはベッドから降りて、暁が入浴中に戻したドライヤーを洗面台の棚から持ってきて、机の横にあるコンセントに繋いだ。
ベッドに腰かける暁の正面に立って、頭にのっているタオルをのけると、暁は座ったまま半分寝ている様子だ。
「あーき!寝ないで!今から乾かすから!!」
ブオーッと音をたてて、熱風が暁の黒い髪の毛を逆立てる。
手ぐしで綺麗に髪の毛をまとめながら乾かす。
わたしと同じシャンプーの香りがスンを鼻をかすめる。
なんだか、変な感じ......。
どうしてわたしが、暁の髪の毛を...。
自分の髪を乾かすのには10分ぐらいかかるけど、暁の髪の毛は5分もせず全部乾いた。
わたしはひとまずドライヤーを机の上に置いた。
目をつぶって半分寝てしまっている暁の肩をゆっくりとゆらす。
「暁、起きて?ドライヤー終わった......よ」
言い終わるころ、暁の腕がゆっくりとわたしの背中にまわり、そのままわたしの体をそっと自分のほうへと引き寄せた。
そして暁はわたしの胸に顔をうめた......。