* Reality * ~鏡の顔~
「失礼致します。着替えてきましたが、この装いで問題ないでしょうか?」


「嫌、全く持って問題なし。むしろ…今まで本当にあの職業をなぜしてたの?って思うほど秘書にしか見えないよ…専務に今から紹介するから、付いてきてくれるかな?」



「はい。」



秘書課を出て コツコツと足音がやたら響く廊下を歩き、専務室と表示がある部屋の前まで行く。


コンコン…



「失礼致します。専務ご報告がございます。君、一緒に中に入って来て。」


「失礼致します。」


「専務、先ほど北山さんが体調不良なり 秘書課で休んでいます。それで、今日の商談なのですが、ピンチヒッターが見つかりましたので 連れて参りました。」


「へぇ突然のピンチヒッターがもう見つかったのもすごいが、えらい美人さんじゃないか?仕事は大丈夫なのかい?」


「初めまして、専務お任せ下さい。語学のフランス語は幼少期に15年程住んでいましたので 母国語のようなものです。」


「ほう、それは頼もしいな。私は専務の氷室だ。君の名前は?」


「水瑠と申します。短い期間ですが、北山さんのピンチヒッターを務めますので、よろしくお願い致します。」


「ああ、よろしく頼む。」


よし、挨拶まで出来た。
私のミッションがスムーズに行く未來しか見えないんだけど、この専務かなりのイケメンだ。

だからさっきみたいな 修羅場か…
まぁ、私には顔は関係ない。あるのはコンプリートのみ、今から気合いを入れて とりあえず秘書課の仕事をしようと思う。

専務が私の正体を見破る前に…





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