朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】
「………」
「らーい」
「……やだ」
「やだってお前……」
「だってふつーにムカつくじゃねえか! 咲桜は俺の一番の友達だったんだよ! なんか知んねーとこから現れてかっさらってしかも教師ですってはいふざけんな!」
「ふざけちゃいない」
「あー! 神宮は今何も言うな! 悪化する!」
頼が吠えて流夜くんはさらっとかわして先輩が頭を抱えて叫んだ。
カオス。
私は、今日何度目になるか、笑満と顔を見合わせた。
居場所作りに流夜くんはわかってて頼のは嫉妬?
混沌。
笑満が大きく息を吸い込んだ。
「なんかわかんないけど――咲桜! 帰ろう! 遙音くんも!」