朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


急に、流夜くんの手が熱くなった。


私が顔をあげると、頭を押さえられてまた俯くようになってしまった。


「あの? 首痛いです」


「お前……爆弾ばっか落とすなよ……」


「いや、それは流夜くんの方かと」


「お前だよ。……頭沸騰しそうだ……」


「?」


「気にするな。戯言だ」


「ですか?」
 

一言にふされて首を傾げていると、流夜くんの手が私の髪を撫でた。


「偽婚約から、婚約に一歩前進ってことで、な?」
 

ぶっきらぼうな声。


恥ずかしいのかな? 私は嬉しい。


「はいっ」

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