朧咲夜3-甦るは深き記憶の傷-【完】


「んな話どうでもいいから。宮寺もほいほい生徒に声かけてんじゃねえよ」


「講義しに来ててそれはないだろ」


「………」
 

確かに。
 

返答に窮している間に、みんなが身を乗り出してきた。


「宮寺先生、遙音とどんな知り合いなんですか?」


「遙音って医学方面じゃないよな?」


「宮寺先生に質問あんですけど今いいですか?」


「宮寺先生とオトって仲良しなんですか?」


『⁉』
 

気づくとそこには何故か頼も混ざっていた。


「ちわっす、先輩方」
 

軽く手を挙げて挨拶する。


みんなはさっと蒼ざめた。


い、いつも遙音を訪ねて来ては二年生を戦々恐々とさせていく後輩……! 


そんな困惑が顔に見て取れる。


「あれ? 君だけ一年生?」


「はい。オトのおっかけです」


『………⁉』

< 274 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop