処刑バッヂ
「行こう」


涼希があたしの手を握り、歩き出す。


涼希の手も小刻みに震えているのが伝わって来た。


「どこへ逃げるの?」


「すぐにアラームが鳴り始めるだろうから、遠くには行けない。一旦掃除道具入れに隠れよう」


涼希はそう言うと、体育館横にある大き目の掃除道具入れへと入って行った。


この辺一体の教室や廊下、体育館の掃除の時に使う道具が一式入れられている倉庫だ。


中に入ると雑巾のカビ臭さが鼻孔を刺激する。


あたしと涼希はホウキでドアが開かないように固定し、開いているスペースに座る事にした。


外に明かりが漏れ出さないよう、ライトも消されて真っ暗だ。
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