処刑バッヂ
麻央も晴康も暗示にかかった時は目が真っ黒に染まっていた。


「暗示には個人差があるんだよ。あたしにはかかりにくかった」


早口に説明するツクシに、あたしは目を丸くした。


そう言えばテレビ番組などで催眠術にかかりやすい人と、かかりにくい人がいるということは、よくやっているかもしれない。


ツクシはかかりにくい人だったのだ。


「でも、完全にかからないわけじゃないの。この暗示はメッセージを読むごとに再度かけなおされるようになってる。犯人は本当に用意周到なの」


「そうなんだ……」


あたしは呼吸を整えてツクシの言葉に耳を傾けた。


右足を痛めてしまって簡単には逃げれない今、少しでも相手の情報が必要だった。
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