処刑バッヂ
涼希がそばにいてくれた時はこんなにも緊張することはなかったのに、1人になった途端自分の弱さを痛感してしまう。


廊下に足音が聞こえる度に、冷たい汗が背中を流れて行く。


みんながあたしを探して彷徨っている。


その中にはきっと麻央の姿もあるだろう。


アラーム音が鳴り止むのを待ってから、あたしはそっとドアを開けた。


外はとても静かで、人の気配は感じられない。


廊下よりも肌寒く感じるトイレから出て、廊下を照らし出す。


足音が消えて行った方へとゆっくり歩調を進める。


きっと麻央もこの先にいるはずだ。


恐怖と期待が入り混じり、スマホを持つ手がカタカタと震える。
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