処刑バッヂ
渡り廊下を渡って本館へ戻り、体育館へと続く廊下を歩く。


時々誰かの足音が聞こえて来ては、近くの教室に入って身を隠した。


そろそろ次のアラームが鳴りはじめる時間になる。


もうすぐで体育館に到着するとしても、そこに捕まえる側の仲間がいたら、一貫の終わりだ。


涼希もそれを懸念したのか、さっきよりも慎重に周囲を確認している。


「涼希。もし誰かが襲ってきたら、あたしを置いて真奈ちゃんのところへ行って」


「なに言い出すんだよ」


あたしの言葉に涼希が驚いた表情を浮かべている。


「あたしは足手まといだって、ちゃんとわかってるから」


梨央があたしに言った通りだ。
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