処刑バッヂ
トオルからのメッセージ。


つまり、トオルは死んでいないということだ。


「なんだよ、やっぱりあいつのサプライズか」


太一が一気に表情を緩めてそう言った。


「今回のはちょっとやりすぎだったよね」


梨央は眉を上げて怒っているようだ。


「おいトオル、勘弁してくれよ」


安堵した口調で涼希が教室の戸を開けた。


暗い教室内、ライトで照らし出されるトオルの顔。


それはさっきまでと同じで目を見開き、泡を吹いた状態だった。


その顔に一瞬ギョッとしたけれど、これが演技だということはもう分かっている。


「トオル。もう起きなよ」


ツクシがそう言い大股でトオルに近づいていく。
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