処刑バッヂ
でも……すでに箱を空けてしまっている太一が不意に駆け出した。


その手には処刑バッヂが握りしめられている。


太一はターゲットの1人なのだ。


「逃げるな!!」


途端に和馬がそう叫び、太一の体を羽交い絞めにして引き止めた。


2人がもみくちゃになりながら体育館の床に転がる。



「離せ! 離せよ!」



太一はジタバタと抵抗し、和馬の体を押しのけて再び駆け出した。


「待て太一! きっと大丈夫だから!」


和馬がそう声をかけた時だった。


慌てた太一が足を絡ませつんのめった。


その手からバッヂが離れる。

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