ヴァーチャル・リアリティ
第2の部屋
部屋の様子は先ほどと違った。


今度は古い日本家屋のようで、キッチンが見えた。


横を向くと百花の姿もあり、一瞬で泣きそうになってしまった。


隣にいると分かっているけれど、こうして映像でも姿が見えたら安堵する。


「今度はなんだろう。もう嫌だよ……」


百花は震える声でそう言い、あたしの腕を握りしめて来た。


「大丈夫だよ。きっと、もうすぐ終わりが来るから」


そう言って手を握り返す。


2人とも手の平が汗で湿っている。


気力も限界が近く、足元がふらついた。


そんなあたしの後頭部に激しい衝撃が走った。


何が起こったのかわからないまま、後頭部を押さえてうずくまる。


百花も同じように隣で苦しんでいる。
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