ヴァーチャル・リアリティ
答えはわかっていたのに、仲間を救う事ができない。


それは悔しさとなって押し寄せて来た。


同時に不安がよぎる。


時間制限に間に合わなければ部屋が崩れ落ちてきているはずだ。


いくらVRでも、悠太郎は大丈夫だろうか。


『今回は綾瀬梨花子さんに脱落者の刻印を押していただきます』


「え、あたし!?」


梨花子の驚いた声が聞こえて来る。


あたしの目の前にはなにも現れないが、梨花子の映像の中には悠太郎の姿が見えていることだろう。


『制限時間は10分間。それでは、スタートです』


あたしの時と同じように制限時間が決められている。
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