ヴァーチャル・リアリティ
「でもさ、こんな場所にゲームセンター建てたって人来ないよね」


山道に差し掛かった時アユがそう言った。


道はちゃんと整備されているが、周囲には建物1つ見当たらない。


人の気配もなかった。


「そうだよね。ゲームするためにわざわざ船に乗って来たりしないよね」


あたしはそう返事をした。


ただ、みんなで小旅行感覚で楽しめるのは理想的だなと思っていた。


ここに来るまでに色々と話しをして、船の中でお弁当を食べたりして楽しかった。


きっと、そういう目的もあって作られた施設なんじゃないだろうか。


今はゲームセンターしかないようだけど、後々沢山のお店ができるかもしれない。


そんなことを考えながら歩いていると、急に開けた場所に出た。


森の木々が無くなり、平屋の建物が現れる。
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