ヴァーチャル・リアリティ
少しずつ量が減っているのが生活感を出している。


しかし、そこにはピンとくるものはなにもなかった。


続いて隣のシンクへ移動する。


クリーム色のスポンジにグリーンのラベルの食器洗剤。


妙なところは特にない。


シンク下の収納スペースを確認すると、包丁やお鍋、フライパンが置かれていた。


どこの家でもこんなものだろう。


扉を閉めようとした、その時だった。


不意にフライパンの柄がキラリと光って見えて、あたしは手を止めた。


「なにこれ……」


そう呟いてフライパンに手を伸ばす。


ごく普通のフライパンにみえるけれど……。
< 88 / 220 >

この作品をシェア

pagetop