【完】キミスター♡
またか…私はこめかみの辺りが痛むのを、指で押さえることでなんとかやり過ごす。

と、そこに、きゃーっと上がる黄色い声。


「やーん!翡翠サマったら今日も素敵!特にあの憂いを帯びた所とかー!」


私はそんな声に呆れた顔をして、短い溜息を吐く。
そして、項垂れるようにして頬杖を付きながら、窓の外を見ている緋翠の前の席に、勢い良くかたんっと座り込んだ。


「こーら!溜息禁止って言ってるのにー!」

「あ…みかー…」

緋翠は私の姿を瞳を映すと、弱々しく笑む。
だから私は仕方がないなぁと、その柔らかな髪をぽんぽんと撫でてあげる。


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