【完】キミスター♡
「で?なんの用?私忙しいんだけど」


腕を組むのは、自分のパーソナルスペースに、真人を入れない為。
絶対にこいつは自分の懐にはいれたくない。
そんな気持ちの表れでもあった。

「用事っつったって、あの3年に会いに行くだけだろ?」

「…彼氏に会いに行くのが重要じゃない彼女なんていないから」



私はそう、早口で言う。
なんで私はこいつなんかと話をしてなきゃならないんだろう?
早く、緋翠の所に行きたいのに。
緋翠の顔を見て落ち着きたいのに…。


そうイライラしてる私にはお構いなしに、真人はなんだから嬉しそうな顔をする。
…それは昔私にイジメをしていた時と同じような…そんな気味の悪い笑みだった。


「お前さ、あんな奴と別れて俺と付き合えよ」

「……は?なんであんたなんかと」

「いいじゃん。俺達幼馴染だし?」

「そ、それとこれとは話が違う!」


急な展開に、私は一瞬吐き気がした。

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