極上な王子は新妻を一途な愛で独占する
貴族としての地位は言うまでもなく高いし、王家の血も引いてる。財産についても、問題ない。コルダ公爵家は、ユジェナ家よりずっと豊かなのだから。

年齢差も理想的。噂では乱暴とは無縁そうだし、不明なのは本人の容姿くらいだ。

ユジェナ侯爵は、結構頑張って娘の相手を探したのではないだろうか。

これだけの条件を満たしている上に、ユジェナ家に婿入りしてくれる相手なんて他に居ないだろう。

だけどマグダレーナは、信じられないと言った様子でシェールを睨んだ。

「条件が合っていても引きこもりなんて有り得ない。皆に馬鹿にされてしまう。それに外見だって酷いに決まっているわ。素敵だったら堂々と皆の前に出られるはずだもの」

皆と言うのはマグダレーナの友人達の事だろう。類は友を呼ぶのか、揃って我儘で毒舌だ。
確かにルドヴィークを婿にしたら、いろいろと言われそうではある。

「そう言う訳で、ルドヴィークと結婚は有り得ない。婚約話が無くなるまでここに住むから」

「そ、そんな……」

シェールは血の気が下がる思いだった。

今の話を聞く限り、ユジェナ侯爵が結婚を止めるとは思えない。
ルドヴィークはユジェナ侯爵家にとって、好条件の婿だからだ。
コルダ公爵は国王の側近でもあるし、絶対に縁を結びたい相手のはず。

だとしたらマグダレーナはずっとここにいる事になる。

(約束の日まであと三十五日なのに!)

焦燥感にかられ、シェールはマグダレーナに訴えた。

「お屋敷に戻ってユジェナ侯爵様と話し合われた方が良いかと思います。ここに滞在すると言われても、この館はアルフレート様のものだし、許可が降りるかも分からないですし……」

シェールが何を言っても聞き入れる訳はないので、見知らぬ夫の名前を出してみた。

王弟アルフレートの名を出せば、マグダレーナも諦めると思ったのだ。

けれど、彼女の反応は予想と違っていて興味深そうに目を輝かせた。
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