姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③

サークル活動




当日、小夜子は指定された駅で迷子になっていた。

(だ、誰もいない……)
 
昼過ぎの微妙な時間帯の為か、駅舎はがらんと広く、

小夜子は何となく居心地の悪い思いをしていた。
 
早く着きすぎたのだろうか。

いや、そうではない。

携帯電話で時間を確認した。

もう少しで、集合時間のはずだった。
 
落ち着かないのは、時間を潰す場所が無いという事もあった。

売店すら無い。

だから小夜子は、ただ当てもなくうろうろするしかなかった。



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