姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③

内緒の墓参り




「日本に来たら、もっと早く来るつもりだったんだけど……

色々あって、ここに来るのが随分遅れてしまったよ。

待ちくたびれたかい? 

ダリウス……」
 
エリアルは、ひび割れた墓石に花を供えた。
 
夕暮れ時に、その場所にあまり人はいなかった。

海の見える、静かな墓所。
 

様々な形の標だけが、周りの世界に影を落とす。



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