姉さんの先輩は狼男 孝の苦労事件簿③
(いける……!)
銀司は、にやりとなった。
が、小夜子は接触した間際に彼の胸倉を掴むと、その勢いを利用し、思い切り彼をぶん投げた。
巴投げだ。
「――とりゃあっ!」
「………え……?」
空中に投げ出された銀司は、数秒放心した。
屋根から出てしまっている。
つまり、地面は遥か下のコンクリート。
きちんと着地しなければ、大怪我だ……。
「どわあああっ!」
銀司はくるりと宙返りをし、四足でダメージを分散させ、無事に着地した。
……たまたまだったが、狼の方で良かったと胸を撫で下ろした。