白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
ノリの顔にかかる髪を払うと、僅かに眉が動いた。

起きたか?

イヤ、ノリの眠りは深い。

また、すぐに寝息を立てはじめるノリ。


髪を払った手をそのまま首筋を辿らせた。

昨夜、少し強く吸った後が首元に見えた。

そこに唇を寄せる。

さっきより、そこは赤さが増した。

それが自分の所有を表すマークのようで、どこか嬉しさがこみ上げてきて、唇の端が自然に上がった。


つい何時間か前に、オレに愛し尽くされたノリの身体は、電池が切れたように眠りについた。

過ぎた行為に反省しつつ、身体が冷えないようにと着せてやった、ノリがここに置きっ放しにいているフワフワとした素材のパジャマ。

そのボタンを再び外す。

恋人と触れ合う経験が皆無だったノリは、恥ずかしいと言って最低限の明かりしか、付ける事を許そうとしない。

それはそれで、暗闇に浮かび上がるノリの裸線は艶かしくもあるが、もっとじっくり見たいという欲望もオレには存在するわけで・・・。


今、目の前には一すじの朝日に照らされた、透き通るような白肌が横たわる。

鎖骨からゆっくりと掌を、形を確かめるようにすべらせる。


そういえば、アメリカで酒に背中を押されて、ノリの肌に触れた時、思いのほか質量のある胸に驚きと喜びを感じた事は、記憶にある。

隠すようなデザインを好んで、ノリは服を選んでいたんだなあ。

だから、そんなふうに育っていたなんて、ぜんぜん気が付かなかった。


でも、アレは・・・事故だった。

言い訳みたいになるが、自分でもそうしよう思っていたわけでない、かなり突発的な事故。

充分な睡眠も取れず、仕事で疲れた身体にアルコールは、自分の理性も記憶も半分以上飛ばしてくれた。




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