白衣の王子様の恋愛感 【番外編12月7日up】
学生という事もあり、お店に入れるのは22時までだった。
ちょっと、遅いけど、家に連絡を入れておけばいいかと思う。
でも、誰かが歌い始めると電話をするために部屋を出て行くタイミングが見つからない。
男の3人、私に他に女の子2人。
数合わせに私は呼ばれたのかと納得する。
このメンバーで予備校以外で話すのは初めてだった。
予備校にいる時のように、スラスラと話すことができないのは、お互いをよく知らないからかな。
だって、共通の話題がない。
誰かが歌っている時に、自分の曲を探していたら、隣りの男の子に急に腕を掴まれた。
少し驚いてその子を見れば、私の耳に口を近づけてきた。
「帰り俺が送って行くから。都川大学前駅でしょ?俺も同じだから。」
そう言われて小さく頷いたけど、その子の目の奥が、よくわからないけど怖かった。
「ト、トイレに行って来る。」
そう言って、掴まれている手を払い、部屋を出た。