極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
女の子好みのロゼのシャンパンは、ボトルで確か三万の値段がついていたやつだ。

こんな高いの飲んでいいの?

この一杯で数千円。

じっとグラスを眺めていたら、前園にクスクス笑われた。

「お前、何そんな神妙な顔してシャンパン見てるんだよ。毒なんか入ってないぞ」

「い、色が綺麗だなって思って見てたの」

咄嗟にそう言い訳して、グラスを口にする。

「あっ……喉越し良くて飲みやすい」

周りの女の子も同じように感じたようで「美味しい」って声が聞こえてくる。

「つくづく前園って女の子を喜ばせる術を知ってるよね」

「皮肉に聞こえるのは気のせいかな?」

こいつは眉根を寄せ、私を見据えた。

「褒めてるんだよ。ね、鈴木さん?」

前園の言葉を否定して、隣の子に無茶振りする。

すると、彼女は一瞬キョトンとしながらも前園を見て「はい」と作り笑いをした。
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