極上恋愛~エリート御曹司は狙った獲物を逃がさない~
彼に向かって挑戦的な笑みを浮かべて秘書室を出ると、「キャア〜!」と悲鳴に似た声が聞こえた。

多分、俺と柚月のことで秘書のみんなが大騒ぎしているのだろう。

営業部にそのまま戻ろうとしたら、柚月が追ってきて俺の腕を掴んだ。

「ちょっと来て!」

彼女は使用されていない応接室に俺を連れ込む。

「こんなところに連れて来て、そんなに俺が欲しかった?」

楽しげに軽口を叩けば、柚月は「違う!」と声を荒げた。

「なんでみんないるところで鍵渡したのよ!」

すごい剣幕で彼女は俺を責め立てるが、謝らずに軽い調子で答える。

「言ったろ?ポストに入れておくのは危ないからだ」

「そういうことじゃなくて……ああ……もう!」

彼女は髪をかきむしりながら歯ぎしりした。

「お前さあ、今のアパート引っ越せよ」

ちょうどいいタイミングだと思い、話をすり替える。
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