年下御曹司は初恋の君を離さない
「とにかく、まずは宿題をキッチリやること。いいな」
「……」
「返事は?」
「……」
「いいのか? 取引停止にし」
「わかりました!」
言い切る前に、私はヤケクソになりながら叫んだ。
すると、階の下からコツコツと靴音が聞こえてくる。誰か来たのだろうか。
スーツを着た男性が藤司さんに会釈をし、藤司さんはその男性に手を挙げた。
「専務。先ほど連絡をいただきました書類をお届けにあがりました」
「ありがとう。では、社に戻ってくれて構わない」
「畏まりました」
その男性は藤司さんに頭を下げたあと、私にも会釈をして来た道を戻っていく。
どうやら彼は、せせらぎの社員らしい。
藤司はその男性から受け取ったA4サイズの茶封筒を私に差し出してきた。