【冴えない貴方は御曹司!?】番外編も完結しました!
翌朝の私は、朝ごはんなど作る気などなくて、始業時間ギリギリまで、会社近くのカフェで暇を潰していました。

「おはようございます」

と言って自席に着くと、もうとっくに仕事を開始していた逢坂さんが、はよと言ってはくれましたが、昨日の今日で、何だか変な気持ちがして、彼の顔を見ることすら出来ません。

ハアッとため息を吐いて今日の予定をチェックしていた時、鏡、と私を呼ぶ声に横を見ました。

「ちょっと悪いけど、第一会議室に来てくれる?」

逢坂さんはそう言うと直ぐに席を立って部長に部下の面接行ってきますと告げて、会議室へと入って行きました。

私も慌てて準備をして、部長に会議室にいますと言って、部署の隣の第一会議室へと急ぎます。

コンコン…ノックの後、どうぞと聞こえたので、失礼しますと言って入室すると、逢坂さんがこっちへ来いと手招きして前の席に座るようにと指示しました。

「さあて、鏡、お前はここ1年数か月、分からないなりによく頑張った」

珍しくお仕事のことで褒められたみたいですね。

ちょっと嬉しいかも…と、ウシシと笑っていると、変な奴だなと逢坂さんが言いました。

フフッとニヒルに笑う彼は、違和感いっぱいです。

あああ!眼鏡男子返上?髪が茶色?スーツブカブカヨレヨレじゃない?……。

貴方、あのエセ逢坂さんではないですか!

ええっと、どう反応すれば良いですかね?皆目見当がつきません。

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