嘆きの断片
「逃がしてくれるなよ」

 やきもきしていると、一つの駆ける足音が徐々に大きくなり二つの影を視界に捉えた。

<Hunt down(ハントダウン)>

「roger that!(了解)」

 待っていた言葉に両手を前に突き出し、口の中でひと言ふた言、何かを唱えると公園を囲うように青白い閃光が一瞬にして走った。

 パーシヴァルの張った結界で、町と公園は完全に遮断される。

「お前の出番だ」

 薄闇のなかに浮かぶ二つの影を、パーシヴァルは険しい表情で見据えた。




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