朧咲夜4-朧なはなの咲いた夜-【完】
「むしろ俺の方が知りたいくらいだけどね」
宮寺先生が苦笑気味に言うと、頼は値踏みするように見返す。
ふと、先輩が訊いた。
「宮寺、どうやってここ来た?」
「え?」
「神宮が尾行許すとか思えねーんだけど。お前が尾行の腕あがったとも思えないし」
「厳しいなー、夏島は」
まあ、別に。と続ける。
「この前な、華取さんとここ、見えるとこで話したろ? そんでなんでわざわざ離れたとこで? と思ってね」
「………」
私からばれていた。くそう。
私が押し黙ると、流夜くんが「違う」と手を振った。
「俺がそこにしろつっといただけだ。勝手な推察でボケたこと抜かしてんな」
流夜くんの辛辣な言葉に反応したのは、何故か笑満だった。