ひだまり
「実は今日、先生から手紙が届いて……」

「あぁ~!!!」

………この驚きは…忘れてた???

オレの『守る』決心は……早くも崩れそうになった。

もしかして……

オレが思うほど真剣な手紙じゃなかった???

彼女が心を痛めてくれたと思ったのは…思い上がり???

自分の行動に恥ずかしさを覚えた頃

「すみません、大きな声を出して……。
忘れてた訳ではないのですが……
手紙を出したら自己完結してしまって、先生からお返事があるって…
思ってなかったから………………
でも………そうですよね。先生も言いたいことがありますよね。
すみません。
自分の思いばかり押し付けて…………。嫌な気持ちにさせて……………」

「なってないよ!むしろ、嬉しかった。
この年になって、サンタがいるんじゃないかと思うくらいねっ!
大人しい先生が、オレのために色々考えて…
手紙まで出してくれて………。
さっきだって……電話するのに勇気がいるくらいなのに……。
園長の誘いは…始めから断るつもりだったから…大丈夫だよ。
みんなにカラオケを誘われて嬉しかったし。
行くのを戸惑って見えたなら……
多分それは……オレがオジサンだからかなぁ?
先生達についていけなかったら恥ずかしいって思ったせいだよ。」

「えっ!………オジサンなんて……。
そんな事ないですよ!!先生は素敵だって…みんな言ってます!」

ホントは…貴女がリラックスできるように……なんだよ。

オレの存在が邪魔をしたくなかったからね。

「まぁ、そんな感じだから……心配ないよ。
もちろん、怒っても、嫌な思いもしてないからね。
ただね、手紙に『私が落ち込んで』ってあったから…
ちょっと気になって………。
別に、プライベートに首を突っ込む気はないんだけど……
もしオレでも話して楽になったり、助けることがあればって思って…」

暫しの沈黙。

電話だと表情が見えないから…

困ってるのか、迷ってるのか…………不安になる。
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