イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる


あ~、でも、妊娠なら妊娠でやっぱり嬉しい。

若いママへの憧れはあるし、それに何より子供が大好きで、特にトオルさんに似た男の子がいいな、なんてずっと密かに思ってたから。

でも、あまり期待を持たないようにする。
生理不順は今に始まった事じゃないし、胃痛持ちだってずっと継続中だし。

とりあえず、妊娠の事は考えないようにして、今はモデルのオーディションへの準備に集中しよう。

それに、この事はトオルさんにも黙っておかなきゃ…
例え妊娠が間違いだったとしても、今以上に私のお世話熱が急上昇するだけから。


私はそんな事を思いながら、口の中をゆすぎ、くちびるにルージュを引いた。
赤い口紅が目立ち過ぎて、顔色の悪さは陰に隠れる。
私は鏡に映る自分を見て微笑んだ。

今、目の前にあるチャンスをつかむ事だけを考えよう。

だって、こんなチャンス、滅多に訪れない神様からの贈り物だもの…




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