誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
「うーん、それはなぁ……まぁ、性分というかなぁ……」
小春の指摘に、大将がタジタジしながら、視線を逸らす。それを見てまた閑がクスッと笑って、カウンターの一番左端のいつもの席に座った。
「さすがの大将も、小春ちゃんには形無しだ」
「まぁ、小春ちゃんは俺の親友の娘で、実際、娘みたいなものだからなぁ……」
うんうんと、腕組みしてうなずく大将に、小春も同意する。
「私にとっても、中本のおじさんは、もうひとりのお父さんだもの。父の反対を押し切って東京に出てきたのに、おじさんが雇ってくれなかったら、半年で徳島に帰ってたと思います。だから感謝してます」
「へへへっ……そうかい。増井には恨まれるかもしれないが、嬉しいねぇ~」
大将は照れたように肩をすくめたあと、
「さーてっ、我らが下町のプリンスの飯を作るか!」
と、腕まくりしたのだった。