誘惑前夜~極あま弁護士の溺愛ルームシェア~
反芻し、問題点を把握。そして改善に向かって努力する。
派手な外見をしているので、昔から勘違いされがちだが、閑はかなりの努力家だ。
大学進学時から弁護士を志していたので、名門私立の法学部に入学した後、法科大学院に通うことなく、狭き門である司法試験予備試験に現役で合格した。そして国家試験である司法試験も一度で合格し、司法修習を終えた後は二十六歳という若さで弁護士登録している。
(とりあえず、少しずつ俺のことを好きになってもらえるよう、がんばろう……それしかないな)
来週から、小春と一緒に住むことになる。
四六時中一緒というわけではないが、チャンスはあるはずだ。
当分の間は、ちゃんとした友人として彼女と向き合い、信頼を得て、それから自分の好意を少しずつ伝える。
とりあえず今は、嫌われなかっただけ、マシだと思おうと、閑は自分に言い聞かせたのだった――。