雲の上には
15分後、一本の田舎道に一台の車がやってきた。姉の同級生だった。しかし、姉の姿はない。
「おねぇちゃんは?」
「俺の家で待ってるよ。」
なんの疑いもなく、助手席に乗り込んだ。
やがて、姉の同級生、賀川のうちに到着。賀川の家はずいぶん昔から、自営で植木屋を営んでおり、仕事で使うのであろう木々が庭に何本もあった。
その大きな家のはなれに、賀川の部屋があった。
中に入った私は、不気味に思った。部屋はうすぐらく、間接照明的なものが何個か部屋の隅においてあるだけだった。
姉の姿はなかった。
「おねぇちゃんは…?」
私は怖くなった。
「おねぇちゃんは、仕事があるからって先に帰ったよ。」
そう賀川が言うと、ガチャンと部屋に鍵をかけた。そして部屋の奥から二人の男が現れる。
「おねぇちゃんがいないなら帰るよ。」
私はそう言ったが、まぁまぁとなだめられ、部屋の奥へ連れていかれた。
そしてお酒を差し出された。もちろん、お酒なんて飲めない。断ったが、壁にかかってある特攻服をみてしまったら、ますます怖くて断りきれなかった。
そう、姉の同級生はこの町周辺をしきっていた、暴走族の一人だった。私はそれを知らなかったのだ。
何度か逃げるチャンスを伺う。その度、にやにやとした賀川達が私の手をひっぱる。
動けない。なおかつ、飲めないお酒を飲まされたせいもあり、体は徐々にフラフラになってきた。
そして、想像した通りの事が起きた。レイプされたのだ。怖くて声がでない。フラフラで抵抗できない。三人の男達に体中をいじくられながら、私は見つけてしまった。部屋の隅に一つの赤い光。
私がレイプされている一部始終を、ビデオカメラがとらえていた。それを見つけた瞬間、私は抵抗することをやめた。涙もとまり、そこから少しの間、記憶がない。
朝方、やっと解放された時、外は雨だった。帰り際、賀川が私に三万円を握らせた。
「おねぇちゃんに絶対いうんじゃねーぞ。」
そういい、突然抱きしめられキスをされた。
まだはっきり覚えている。感触や、賀川の口臭さえも生々しく、私の頭にインプットされている。
気持ち悪い。やっぱり生きていたのが悪かったんだ。死にたい。あの時死ねてたら…。
その日、また薬を飲んだ。失敗しないように、前の時の倍飲んだ。そして、すぐ見つからないように、薬のはこを隠した。
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