キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて

仲直りと初恋




翌朝。

本当は休みたかったけど、夕食も食べず部屋に篭ったのを心配しているママとパパをこれ以上心配させたくなくて、引きつった笑顔でいつもより早く家を出た。


陽亮がいつも待っている場所と時間をどちらもずらして学校へ行く。きっと待ってるのは見なくてもわかるのに、陽亮の気持ちだけがわからない。


空は快晴なのに私の中には雨が降り注ぎ、いつまでもやまない。



下駄箱で靴をはきかえていると、サクラも二人とわざと時間をずらして来ているみたいで早めの登校をしてきた。


「アズサ、おはよ!早いね。ってその顔どうしたの!?」

「そんなにヒドイかな……?」


アハハと無理に笑ってみたけど作り笑いなんてサクラには通用しない。


「何かあった?」


眉を八の字にして心配な顔。

言葉に詰まっていたらサクラが背伸びをしながら頭を優しく撫でてくれた。


話したいけど今は言葉にするとまた泣いてしまいそうで、それを察知したサクラは敢えては聞いてこない。

どうしてわかってくれるんだろう。
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