キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
腕を振り払おうとしたけど、しっかりと握られた陽亮の手を振りほどけなくて諦めた。

それに捨てられた仔犬みたいな目で懇願するのを見捨てられない。頷くとようやく離してくれた代わりに手を握られた。


「面白いって言ったのは違うくて……、からかったとかそういうんじゃないんだ」

「どう違うの?」

「確かに最初は『ちょっと面白いやつ』って思った。俺を避ける女に初めて出会ったし、そういう女を振り向かせるのって愉しそうだって思ってた」


ズキッと胸が痛む。
それは私が思ってたのと全く同じ答えだったから。

からかわれてるのは知ってたのに、本人からそれを聞くのとは痛みが違う。


陽亮を大嫌いだった私。
でも今は大好きな私。

嫌いだった頃に言われてたらキズつかずに済んだのに、いまさら言われたってもう遅い。


「でも今は違うから。アズの正義感の強さや友達想いなとこ。思い込みと突っ走っちゃうとこも全部好きだ」


―――――――っ!?
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