キラキラと光り輝く、優しい笑顔に包まれて
「ごめん。んで、なんだっけ?」


全く話を聞いてなかったから、弁解の余地無しでこんな時ばかりは素直に謝った。


「アズサ、最近よくぼーっとしてるけど大丈夫?なんかあった?また一人で溜め込んじゃダメだよ」


サクラが眉を下げ、心配そうに私の顔を見る。こんな時になんだけど、そんな顔のサクラも可愛い。

『可愛い』と言う言葉はサクラの為にあるんじゃないか?


「ちょっとアズサ?ホントどうした?」


顔を覗き込んで不審者でも見る目付きのカエデ。

あ゙。
また返事を忘れ、自分の世界に入ってしまっていたみたい。


「ゴメン‼何でもないっス。海行くの楽しみだなーって」


慌てて心配をかけない様に、これ以上ない程の笑顔で言ってみる。

サクラに見惚れてたなんて言ったらサクラは顔を真っ赤にして照れるだろうし、カエデ達にはバカにされるのがみえみえ。


しかも、陽亮の事を考えていたなんて言った日には最強に冷やかされるのは間違いない。
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