キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
「唯先生~ライン引きって、何処でしたっけ??」

「子供用のゴールテープは、アンパンマンの柄でいいんですよね?」

四人や航君、先生に助けてもらって……

気づくと咲ちゃんも元に戻って

今は、運動会に向けてまい進中です。

前より変わったことは………

唯と先生のお付き合いが、沢山の人に知れちゃったことかな。

どうか………園長先生と保護者の耳に入りませんように。

咲ちゃんは…

「相手が先生だと、勝ち目がないので諦めます。
それに……先生を敵にまわすと
四人の御姉様方と航が、怖いんだもん。」って…

でもね

咲ちゃんが先生に真剣に恋がしてたのは知ってる。

……………彩ちゃんも………。

唯に出来ることは…

二人の気持ちを無駄にしないで……先生を大切にすること。

「唯先生~お土産の箱を2階に運ぶから、戸締まりをお願いしますね。」

チャキチャキ咲ちゃんに指示されて、倉庫の鍵を閉めてたら

「もう大丈夫みたいですね!」って頭上から声が降ってきた。

「………航君。」

ここにも自分の気持ちより……

唯達のことを大切にしてくれた人がいる。

「あぁ~あ。
傷心の先生に付け入るチャンスだったのになぁ~
ざ~んねん。
まっ!夕ごはんデートが出来たからいいですけどね。
おまけに、森先生にも1回貸しが出来たし!
………………………もう、迷わないで下さいね。」

「何が貸しだぁ~。」

声がした方を振り向くと、先生がいた。

「あらら!
ヤキモチ彼氏が来たから、逃げますね。
お仕事しよ~と!」

先生のにらみなんて、軽くスルーして……笑いながら去って行く航君。

ホント……みんな強いなぁ~

あのにらみが怖くないのかなぁ~??

思わずじーっと先生を見ていたら

「何?」って…

「えっ……あの……えっと…」

笑って誤魔化す唯に

「ここでキスするよ。」ってにらまれちゃった………。
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