キンダーガーテン三   ~それぞれの居場所に~
「ヤッタァ!!拓人、唯ちゃん好きだって~」

「あっ、そう。じゃあ、今から連れて来るから……
ちょっと待ってて。」

……………………???

連れて来る???

この言葉を聞いて、良い想像は浮かばない。

どうしよう~って、先生に目で訴えたら…………

「多分、来るのは…………犬だよね。
まぁ、唯ちゃんのせいじゃないよ。どんなに断っても
結果は決まってたから………………。」

諦めモードの先生って………大人なのかな?




「キャー!!可愛い!」

「まだ赤ちゃん。」

「何犬??」

「シーズーだって~」

「テケテケ歩いてる。」

赤ちゃんワンコをサッと置いて………「来週までお願いしま~す。」って

帰って行っちゃった、美香さんと拓人さん。

オロオロする唯に

「唯ちゃん、手伝って~」ってキッチン横の小さな収納部屋に。

大人が屈んでやっと入れるスペースに………

動物用ゲージとトイレ……ご飯の食器にお水を入れるタンクみたいな物まである。

どういうこと???

用意の良さにびっくりしていたら…………

「子供のころから、しょっちゅうだから。
預かったり、拾ったり………色んな理由で連れて帰るけど………
世話は出来ないんだ。
いつもオレの所に回って来る。」

えっ………それって……………

「今回は、一週間だから直ぐだよ。
飼ったことないんだっけ??子育てと一緒だから、楽しもう。」

言ってる間にも、ドンドン組み立てられていくゲージ。

航君と先生が頑張ってる。

梓ちゃんと彩ちゃんと咲ちゃんは、エサやトイレシートを買いに出掛けた。

唯以外みんな飼ったことがあるらしく、テキパキ動いてる。
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