アスカラール
「じゃあ、来週の…そうだな、6時くらいでいい?」

そう聞いてきた成孔に、
「わかりました、6時ですね」

美都はカバンの中から手帳を取り出すと、時間を書き込んだ。

「6時に…えーっと、どこに行けばいいですか?」

「2階にあるカフェはどうかな?」

成孔は言った。

「はい、わかりました」

美都は返事をすると、場所を書き込んだ。

「間違えて家に帰らないでね」

そう言った成孔に、
「大丈夫ですよ、手帳にちゃんと書き込みましたから」

美都は言い返した。

時計に視線を向けると、11時を過ぎていた。

(ずいぶんと成孔さんと話をしていたんだな)

美都は心の中で呟いた。

「美都と出かけることも決まったし、もうそろそろ電話を切ろうか」

そう言った成孔に、美都は自分の頭の中を読んだのではないかと思った。
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