アスカラール
唖然となっている美都に、
「早く美都が俺のものになって欲しい」

さらに追い打ちをかけるように、成孔が言った。

美都は気絶寸前だった。

(このまま意識を失って倒れることができたら、どんなに楽なんだろう…?)

ここ数年は風邪すらひいていない丈夫過ぎる自分の躰を美都は心の底から恨んだ。

そんな美都の様子に成孔はクスッと笑うと、
「次はどうする?」
と、聞いてきた。

「い、今さらですけど…ある程度見て回ってから決めませんか?

後、喉が渇いたので飲み物が欲しいです」

そう答えた美都に、
「うん、そうだね」

成孔は首を縦に振ってうなずくと、美都と手を繋いだ。

手を繋がれたその瞬間、心臓がドキッ…と鳴った。

(ああ、もうダメだ…)

美都はどうすることもできなかった。
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