身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい

 そうして礼拝堂から一歩、外に踏み出したところで、何気なく空を仰いだ。

 その瞬間、これまで見た事もない、明るく大きな光が夜空を照らした。

 流星か!!

 流星は満天の星々の中にあっても一際の存在感で、悠々と宙を走る。

 俺は食い入るように、煌く流星を眺めていた。
 流星は長い発光を経て、やがて消えた。

 これほどの発光時間と光量を持つ流星など、なんと稀な事か……。

 俺は流星が消えても、宙を見つめたまま動く事が出来なかった。


 カタン――。



< 10 / 263 >

この作品をシェア

pagetop