身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい





「ブロード様、お待たせしました!!」

 先の言葉通り、二十分と掛からずに、アボットは息急き切って戻ってきた。
 そのアボットは、腕に大量の荷物を抱えていた。

「アボット? お前は一体どこに行っていたんだ?」
「いえね、やっぱり俺、奥殿にだって正面から行くのがいいと思うんです! という事で、馴染みの医師から借りてみたり、足りない物は金に糸目を付けずに買ってきました! ……なので、後でまとめて請求させてもらいます!!」

 !!
 言葉と同時にアボットが、バッサァッと、腕に抱えていた荷物を広げた。

「そ、それは!」

 最初に目を引いたのは、クレイグスを筆頭に、王都近郊の医師らが身に付ける医療用白衣。

「はい! これなら、奥殿まで行けると思うんです!」

 胸を張ってアボットが答える。


< 191 / 263 >

この作品をシェア

pagetop