身代わり女神は、過保護な将軍様に愛されるのに忙しい

 私が危惧したものとは、程遠い内容だった。

「? ……こうして見て、いますよね?」

 あまりにも不可解で、私にはザイード王の胸の内を推し量る事は不可能だった。

「……そうだな」

 ザイード王は、くしゃりと笑った。だけどその笑みは、どこか寂しい微笑みだった。

「ザイード王、どうして私なんですか?」

 気付いた時には、尋ねていた。

 星の女神を王家に取り込みたかったというのは、分かる。だけど笑みを交わし、多くの感情を共有して過ごす伴侶は、私でなくとも良いのではないか。

 それこそ長く夫婦として過ごした王妃様と、そんな関係を築く事は出来なかったのだろうか?

「……赤子は与えられた玩具を必ずしも気に入りとするか? そんな事はあり得ない。赤子とて数多ある選択肢の中から、己の気に入りを選ぶ」

 私の質問への、ザイード王の答え。ザイード王の例えが何を意味するのか、私には分からなかった。


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